取締役の解任請求!! [デザイナーズレントハウス]
よほど優秀なアドバイザーがいるのでしょう。
次の妹夫婦の一手は「取締役の解任請求」でした。
妹の株式保有数は30%です。
株式保有数が3%以上であれば、「取締役の解任請求」を株主総会に提訴できます。
そして、埒が明かなければ、裁判所に提訴することも可能です。
さらに追い打ちをかける「かなりどぎつい一手」に兄は慌て、弁護士の元へ走ります。
と同時に、妹は次のように言い出しました。
妹:「会社の帳簿と領収書の閲覧をさせていただけませんか・・・?」
株式保有数3%以上保有する株主であれば「帳簿閲覧請求権」があります。
それを使えば帳簿や領収書を閲覧することが出来ます。
その閲覧の途中、家族旅行やゴルフなどの私的豪遊の証拠を見つけ、
警察に「背任罪」で告発の相談をするつもりでしょう。
そうなれば刑事罰もあります。
兄:「勘弁してくれよ・・・!!」
兄は拒否しました。
妹は、裁判所に「間接強制」で訴えます。
「間接強制」とは、「見せろ」でなく「見せるまで一日〇万円支払え」と訴えることです。
ここまでされた兄は、シブシブ、妹が保有する株を時価換算で購入しました。
以上が出来事の顛末ですが、この兄妹はきっと死ぬまで疎遠でしょう。
葬式には参列するでしょうが、その場合でもそれぞれの心情は複雑でしょう。
「たらい水」
たらいに水を入れて、自分の懐へかき込もうとすればするほど脇から水は漏れていく。
その逆で、自分から水をかき出すと、脇から水は入ってくる。
相続財産ももらえるに越したことはありませんが、この兄妹のような事態にまで発展すると地獄です。
“血縁関係を切る“代わりに”おカネ”を手に入れているようで、後味が悪い時間しか残されないような気がします。